第三回「張角の最期」

黄巾軍50騎あまりに取り囲まれた劉備達。迎え撃つも淑玲が深手を負ってしまう。その場から動く事も出来ず万事休すの所、官軍が現れ窮地を脱する。軍を率いるのは近衛騎兵隊長の曹操であった。で、挨拶もそこそこに早速淑玲(重傷者)の美しさに目をつけるのがさすが曹操w「これは美しい…絶世の美女とはこのことだ」 なんだかよくわからない口喧嘩のうちに曹操劉備達は女2人を賭け、どっちが先に張角を討ち取るか勝負する事に。部下も揃う中でそんな大人げない口論を繰り広げる絵はかなり笑える。それさえ無ければ曹操は王者の風格を持った特別に好人物として表されているので余計おかしい。天下取りの壮大な野望を見せる前にまずどうしようもない女好きキャラとして売り出されている曹操殿である。
黄巾討伐に成果を上げ、盧植将軍の後任である董卓(初登場)に会見をする劉備達だが、官職の無い彼らは冷遇されてしまう。しかし30年も前の子供向け番組にこういう文句は言っても無意味なんだがこの董卓…ほんとひどいんだよ…。キャラの方向性が完全にジャイアン。しかも頭も小学生並に弱そうなのが困る。陣中では常に知恵の輪で遊んでおり言葉も片言、単なる大きなだだっ子のようにみえる。序盤の大ボスであるのだからもうすこし脅威を感じるような知性が欲しかった。 造形はよく出来ていて悪くないんだけどね。
さて、劉備達3人が妖術使いの張宝を討ち取った頃、肝心の張角の元には曹操が一足先に乗り込んでいた。単身血気盛んに張角を求め切り込んでいく曹操様はどうみても美女欲しさです。どうもありがとうございました。しかしながら張角は既に病死。結局賭けはご破算になってしまったことを曹操は正直に劉備達に話す。しかも曹操が賭けに勝つ事を恐れ淑玲が逃げ出してしまった事もからっと笑い飛ばして許してしまうあたり、勢いのある者の余裕っぷりを見せつけてくれる。
しかし結構あっさり黄巾の乱がおわっちゃったな。いや劉備達3人だけで行動しているシーンが多くて主戦場の描写がないだけか。演義を読んでると官軍に入った3人はすぐに大軍を任せられて主戦場で駆け回りまくっているが、現代人の感覚でなら、田舎から出てきた無名の士に普通いきなり何千人も部下なんかつけないよと思えそうだ。実際は人形劇で集団戦闘は難しいという理由が一番大きいだろうけど。
今回は前みたいなギャグ回じゃなかったけど、ちょっと笑える突っ込みどころは多かったな。劉備張宝を前に「この剣が夜泣きをしているぞ!」とかそれキャラ違うよ!
<キャスト等>
出演…島田紳助松本竜介
声の出演…谷隼人劉備)、石橋蓮司関羽張角)、せんだみつお張飛張梁もらしいが俺にはわからんかった)
伊佐山ひろ子(美芳)、長谷直美(淑玲)、
岡本信人曹操董卓)、三谷昇張宝
官軍の一般兵役には使い回しが多すぎるので今後割愛。男性キャラの人は大体出ている。
脚本…田波靖男
制作…久保田弘
技術…川島元
美術…荒木幹夫
効果…鈴木晶
演出…佐藤和哉

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