印象の切片

1日目:電車を7回乗り換えました。
須磨水族館に行ったのは恐らく20年ぶりでしょうか。まったく周囲も、建物も、記憶にありませんでした。間にあの震災がありましたから、いろいろあったんでしょう…10年以上前いったきりの海遊館の場合は、それはもう詳細によく思い出せましたから。須磨ではイルカのショーを成り行きでみましたが、私よりもついてきた母の方が楽しんでいたようで何よりだった。
大阪の実家には2日半ほど滞在しましたが、居心地がよすぎて逃げ出さざるを得なかった。
父が奮発して中華料理の高級店につれていってくれたが、僕には実家でたべたオーブンで焼いたサンマが一番おいしかった。2匹食べた。
あと、家に一人残されているインドア派な母がだんだん喋り下手になっていくようでいっそこのまま面倒をみていたいという誘惑にかられたのも敢えて出て行く原因だ。
父はというと、金剛山の登山につれていってくれた。彼もなんだか重荷が取れて若返ったようだった。しかしなんとか私に父の威厳を見せようとしたのか、敢えて難ルートを選んだようだ。地元に住んでいた頃、金剛山は何度も上ったが、正直こんな難ルートは知りませんw日曜、本来なら前後他人がいないことなどあんまりないくらい賑わうものだが、結局頂上につくまで数人見かけたきりだった。心肺能力は流石登山をライフワークにしている父の方がある。僕は途中で息が切れて休憩を2回求めた。他の基礎体力は多分僕の方がある。帰りはよろける親父を尻目に駆け下りた。これは多分僕と父の無言の男の戰いだったんだなwでもたまにはこういうのもいいか。登山口からの帰りに、段々畑に彼岸花が咲き乱れて、それがとても美しかった。
須磨から高松についたのは夜中だった。そそくさと饂飩屋を求め閑散とした中心街をあるく。こういう時iPhoneは頼もしい。屋外ならだいたいGoogleMapとGPSの連携はばっちりだ。
海遊館…クラゲ!マンタ!タコ!ジンベイザメは…なんかでかくてあたりまえ!。他、特別展示でコツメカワウソを特集。興味を持ってもらうよう工夫がなされていて好感。オープン当時にみにいったきりだが、かなり記憶が残ってるのに驚く。
須磨水族館…最後に行ってから20年程。震災を挟んでいるからか、全然記憶にねー!エンタテインメント要素と、学術要素、トータルバランスが一番とれている所だった。ピラルクかっこよすー!
鳥羽水族館…一番閑散とした街にあります。観光以外用の無い街です。老舗すぎてエンタテインメント的にはだいぶ弱く、あと海獣類が突出して充実していましたが、殺風景な印象も強くのこりました。(海遊館の住環境再現ジオラマ作るぞ的な演出が薄い)知能が高いだけに、なおさらの事です。
雨の伊勢湾を眺めながら、誰もいない観光客用の食堂で日暮れ前に海老フライ定食を食べるのはなかなか雰囲気のある体験でした。鳥羽はまさに平日、俺の鬱な心象と相まってさながらゴーストタウンに見えました。漁業の男たちが目の前の生け簀から伊勢エビを引き上げたり、うなぎを殺したりしていました。
一番心にぐっときた車窓の風景は大阪から伊勢への風景でした。理由はわかりません。何遍もシャッターを切りました。