エヴァ破について補足(超ネタバレ)

ごめんもうちょっとエヴァ破について書くわ。今度は思い返して気づいた事を断片的に。次観るときはここらへん検証しに行く。本当は他に書きたい話題が色々たまってるんだけどw
綾波レイはアスカに、「(私は)シンジ君といるとポカポカする。碇指令とシンジ君にもポカポカしてほしい」と語る。この「ポカポカ」という言葉は実に唐突なチョイスに思われ、正直滑稽ですらある。しかしよく考えればその前、レイ、シンジの友達らで行った海水浄化装置の施設でのピクニックランチ、シンジが魔法瓶から手製の味噌汁をレイに勧めた際、「暖まるよ」と言ったのではなかったか。気候は夏だというのに。両手で暖かい味噌汁の入った容器を持ち、「…美味しい。」珍しく私的な感情を発したレイはここから旧シリーズにない感情を初めてはっきりとに発露させはじめたかもしれない。確かにそれはレイの心をも生まれて初めて「ポカポカ」と暖めたのだろう。後にレイの自宅で吹きこぼれていた鍋は味噌汁だったかもしれない。なんといじらしいんだろう!
エヴァのTV版本放送は1995年10月4日〜1996年3月27日。かなり力技な解釈ではあるが、この時人類補完計画が発動しシンジが世界を再構築、その14年後の今年2009年〜2010年の今再び14歳の少年として人生をやり直しているのだと考えると非常に感慨深い。旧版になかったシンジら子供達の前向きな行動に快哉を叫んでしまう人がたくさんいるのは、あの14年前から、それぞれの心の中に補完して生まれ直したチルドレンが育っていたから、まるで人生のやりなおしに成功しようとしているシンジ達を「我/我が子」のように感じたに違いない…(我ながらキモいが半分真顔で。)やっぱ反則だよ新エヴァ。14年間ものリアルタイム進行での大長編を観させられているようなもんなんだぜ?なんというか、SFだわ…(妄想が暴走しました)
・旧作に比べ(あのエヴァにしては)上手く行き過ぎているようにさえ思える今作。ここから真っ逆さまに絶望へ突き落とされるのか、このまままっすぐに飛翔していくのか、それともEOEの最後のように「現実を受け入れようぜ」みたいななんともいえない感じになるのか…どっちにしてもこの後の妄想だけで数年満足できるな…
・しかしあれよな、何度も言うようだけどこんだけ前向きで明るいエヴァ破だけど、やっぱそのすぐ隣にぽっかり真っ黒い闇が開いている感じは相変わらずするのな。情け容赦の無い想像を絶する残酷さが今にもやってきそうだ、という期待感と拒絶感。これが単なるシンジ君の夢だったらどうしよう…?本当は凄まじくグロい真実が待ってるんじゃないのか…?いやまあアスカのアレなんかはまさしく大惨事だけど…しかしあの眼帯、捲ったらどうなってるんでしょうね。EOEの時のアスカ/弐号機の、あのトラウマもんの惨状を連想しますね。変態なので色々想像して軽くアヒャっちゃいます。ああもうヤバいな。やっぱ明日有給取ってもう一回観に行くわ。
・ああでもやっぱりこれってシンジの願望の世界なのかしら。だからショックなシーンでは、あんないかにも中学生が音楽の時間で習いそうな歌が鳴り響いちゃうのかしら。そしてパンチラやら胸ユサやらエロが所かまわず出て来ちゃうのかしら。レイが「まだ内緒。」とか策を巡らしたりしちゃうのかしら。シンジはソツなく料理が出来ちゃうのかしら。手をもがれる痛みにも今度は耐えられちゃうのかしら。違和感の正体はこれか、これなのか!?だったらあまりにも悲しいんですが監督なんとかしてくださいよ!
・俺がアニメ/映画業界の人でなくてよかった。もしそうだったら、あまりの圧倒的な映像の素晴らしさ、技巧の贅沢な凝り方、そして配給までどうこうできるような強力で自由な制作体制エトセトラ、嫉妬とかのショックでしばらく立ち直れないかもしれん。みんながんばれ。おれはむりです。