円熟したオッサンの当たり年

今年発売のアルバムのNo.1が決定いたしました。マーベラスですわ!

記憶喪失学

記憶喪失学

今までも「エキゾチックで胡散臭く、若干腐臭のするまで熟したエレガントなジャズ」というコンセプト良し、雰囲気良しの結構なアルバムを出していた本バンドなわけですが、若干コンセプト倒れといいますか、アイデアの良さだけが強くて意外と凡庸?要するに所詮フェイクだなあ。という印象が先立っていてそこが今ひとつ聴き込む気になれない点だったのです。しかし3枚目の本作は違う。いきなり完成度が跳ね上がった気がします。それからジャズというより、現代クラシック寄りになった気もします。たまにちょっとバルトーク室内楽っぽいですよね。しかしまあ、あまりの良さに泥酔して寝る前にかるく聞き流すつもりがいきなり目が覚めてしまいましたとも。これは事件ですよ!全く。菊地氏のアルバムの中で「巨匠っぽさ」なんてのが感じられたのは初めてかもしんないという実に端正で隙の無い編曲も非常に気になります。特に「ソニア・プラガ事件」が素晴らしい…これだけの為にオーチャードホール行きたい。しかし着ていく服が無い。

他にもアルバムを買ったがどれも当たりだった。結構結構。

Just a Souvenir (Dig)

Just a Souvenir (Dig)

トムおじさんの新アルバムだよ!イエー!ってあれ、随分作風がまた変わりました。スクエアプッシャー初期のメロディアスでシンプルな作りを今の感覚でもっとポップにやりなおした感じだね。でも意外と他に無い感じでよい。そして相変わらずとっちらかってて、しかし完成度は高い。円熟したおっさんの余裕感その2。

YELLOW(初回生産限定盤)(DVD付)

YELLOW(初回生産限定盤)(DVD付)

前作のJ-POPで漏れた曲集らしいが、あれより遊び心があって良い。やっぱり電気名義はバラエティ豊かな世界観を求めてしまうよな。これもなんか円熟したっぽいよな。VOXXXではあんな虚無でカオスだったのに、それを突破しちゃったのね。