石鯛を食べた

22時のスーパーに半値の石鯛があった。やや小ぶり390円。丸ごと。そもそも味もあんまり覚えてない魚だが破格の安値であるのは知ってる。真っ黒な中にもソリッドな縦縞のパターン、他の魚と空気の違う面構えに惹かれて購入。こりゃ丸ごと味わい尽くすしかないでしょう!早速深夜の解体ショー。薄い体格に細かくてびっちり確りついたウロコ。内臓も処理されていない。きっとスーパーでたまたま入荷してみたものの、いざ解体となると店の人もたった1匹に面倒だったんじゃないだろうか。身が薄く硬くてかなり手強い。ネットで調べて、いろいろ手を焼きながらもなんとかさばく。身は薄く切り刺身、皮はさっと湯通しして氷水で冷やし残ったウロコやぬめりをよく落として細く切り、ポン酢を添えて。あらはよく洗って昆布ベースで極力シンプルな澄まし汁に。内臓は半値だけに鮮度が心配でパス。いやほんと眩むような旨さだ石鯛。鯛より歯ごたえがあり、味も濃厚。魚の皮の湯引きなるものはフグ以外では初めてだが、それよりずっと良い!魚の皮ってこんなに旨いもんだったんだな。アラは骨のダシが強すぎて昆布の出しが負けているのがやや残念。でも相当旨い。目玉も旨い。とても満足。肉類はただの切り身で買ってくるより骨付き、骨付きよりは丸ごと頂いた方が、相当興奮するし満足する。量の問題じゃない。本能的な快楽だ。この生き物を、生命を己に取り込んだぞ!って感じがする。