大体風邪も完治。週末にさしかからなくてよかった。
今週のNHKFMライブビートを録音だけしていたものを聴く。夜のストレンジャーズは客観的に聴くとなかなかいいのだろうが本質的にヒキコモリマインドの自分には向かない感じだ。ZUINOSINは前一度ライブを観たのだが あの時はなんじゃこりゃすげえな という視点がメインで音自体についてよく考えられなかった。こうやって冷静に聴くとRUINSとプラスチックスを足したような印象をうける。超ポップなRUINS。ここでポップという言葉の意味をよく考えるのだがその名の通り泡のようにつかみどころがない。例えばよく言われるようにOVALという人の音楽はメロディーもビートもない 一聴すると穏やか目のノイズっぽいエレクトロニカなのだが明らかに「ポップだなあ」という感想が浮かぶ。このポップだなあという気持ちはどこを捉えて感じたのか自分でもあまり説明がつかない。「一般性がある、売れ線の」という言葉でポップを説明するとなんだかOVALにはしっくり来ないのでとりあえず「未知のリスナーを歓迎する準備が出来ている状態」としよう。そういうのがRUINSにはびっくりする程無い。多分。波長が元々合ってなければ全然合わない感じがする。別に音が脅迫的だからとか高速変拍子だから とか演奏してる人の顔が怖いから とかそういう表面的なものがポップ性の無さの基準ではないなというのがズイノシンを聴いてなんとなく判ったのだった。ただズイノシンの場合はポップ性が強烈すぎて一般性が無いというかキティガイが諸手を上げてウェルカーム!!と熱烈歓迎しているというか頭が人工甘味料漬けになったようなクラクラ感を味わうので30分足らずのライブ放送の後半にはすでに疲れてきたけれども…。

世の中には音楽という学問が存在していて クラシックだろうがロックだろうが大体は専門用語を駆使してその効果の解析がきちんとできてしまうものなのだそうだ。自分もほんの基礎の基礎は学生時代になんとなく頭に入れたが対位法だとかそういう高度な話はそういう規則があるんだな程度にしかわからない。最近までは音楽を聴くのに別にそんな知識いるもんかと思っていたのだが この間の水曜のwanted!で菊地成孔が世界の国歌をいくつか流していて 今のは強引にいったなあ とか 上手く解決しないまま次の展開にいったなあだとかそういう漠然とした表現でしか自分が言い表せない部分を的確にラジオでは理論的に指摘していて おお私の感じた事はそういう風に理論でちゃんと説明できるんだなと唸る。そういう理詰めに分析できる頭で世の中の音楽を聴いたら 何を聴くにも全然今までと違う世界が開けて面白いだろう。いやもしかして辛いのかな?3DCGを仕事にしていた頃は CGを駆使した映画を観るのが少し辛かった。(技術的なアラを発見したり演出の人の思惑の方が気になったりこれは何々のソフトで作った絵だなーだとかウンザリするような作業とマシンパワーを想像したりして本編に集中できず疲れる)でも確かにCG屋じゃないと感動できない作品もあるわけで(作者の本意ではないだろうが)音楽にもそういう所はあるんだろう。しかし勉強するにもどこからとっつけばいいんだろう…


会社から歩いて10分ほどの所にある渋谷駅の東急百貨店地下のお菓子売り場が先週大幅に改装した。非常に気に入っていたラ・コロンバが消えてしまったのは悲しいが新しく入った店舗群も魅力的で最近ことあるごとに何か買っていっている。今日の大ヒットは23日までしか出店しないようだが目黒から来たパリセヴェイユ(変な文章…)のキャラメル味パウンドケーキ。これ絶品。キメ細かい軽めな生地の口触りの良さもさることながらキャラメルのコクのある苦みと香しさの絶妙なバランスがなんとも。ケーキ類もなかなか美味しそうなので雨が降ったら自転車乗らずにここのケーキを買ってバスで帰ろう。焼き菓子類はもちろん全種制覇で!

あと昨日はタイガー&ドラゴンを視聴。今年唯一観ているドラマ。本当にクドカンの脚本って面白いなあ。複数の話がバラバラのピースに分けられてモザイクの様に組み上げられている。部分的に単なる妄想オチで時間が巻き戻ったり 高座に上がった落語家の噺が唐突に時代劇の装置でコスプレ演劇にすり替わってたり更にその中のキャストがどんどん現実のストーリー進行に沿って入れ替わってしまったりしまいには現実が落語の下げ(オチの部分)を肩代わりしたり。これ本当に観ている人ちゃんと皆ついてこれてるのかな?とにかく強烈。役者も皆ハマリ役でやらされてる感じが無いのもいい。鶴瓶も楽しげにヤクザの組長って設定を生かした落語をしてみたり。昔からこの人の喋りは好きで関西にいた頃はよく深夜テレビをみていたが こうやって他の役者が演じる落語家と並べるとやっぱり全然違うなあと感じ入る。ちゃんと観客に向けて喋っている感じがするから。師匠こと西田氏もすごいと思うけどね。素晴らしい役者はなんでも表現出来得るという当然の事実に感動しますから。