内圧は絵か音にするしかない

落ち着いた土曜日。雨はふらなかった。

アマゾンさんからデヴィッド・シルヴィアンブレミッシュが届く。非常に静かで冷ややか。ぱっと聞きどういうジャンルかと言われるとエレクトロニカだが常にシルヴィアンの声が主役でエフェクトをあまりかけずに前面に出ているのでいかにもエレクトロニカという感じもない。彼のアンニュイでケレン味のある(アシッド的な と自分は思っているのだが)声質が好きで買ったのでそういう向きには満足だろうが全体通してスロウで内省的な感じの曲が続くから聴き方によっては退屈だと思う。中でいくつかデレク・ベイリーの即興アコギ(多分)とセッション(多分)しているのが面白い。しかしハイライトは8曲目のクリスチャン・フェネスの参加したfire in the forest。他の曲がどれもシルヴィアンの声の音階的な部分を突き放すようなバックなのに対して この曲は声を包み込んで親和している感じ。シングルカット的なキャッチーさ。

先日届いた想い出波止場金星を聴く。この後に出来たことになるVUOYがテクノ・音響的なアプローチが多くクリーンでポップな変態さなのにくらべ、こちらはぐっとライブ録音に近いというか アヴァンギャルドなロックやフォークの泥臭い変態さと格好良さ。でもってやっぱり子供みたいに気紛れでオモチャ箱みたいで素晴らしい率直さ。山本精一氏のギターはやっぱりキレキレでサイケで格好いい。いうならVUOIがウヒョースポーンピロローンキュワワワワワワワワイエーイならこっちはドギャーンアッハハこん畜生奴ドッズバーンイエーイなのである。ああ面白い。ちなみに中のスリーブのセルフ解説もまんま音楽とシンクロした分裂気味な内容で面白い。想い出波止場がどんな集団なのか人に言葉で説明するのは非常に苦労するのだけど ここに出てる1ページの解説で十分事足りる気がしてきた。