よく戦いました(主に叩き記事と予算と史実厨と)

あの旗〜に委託した〜ゆーめーをおおおおおおおお(感極まって思わず熱唱)

あー終わってしまいました。新選組!。最終話はただ近藤が斬首される この出来事に 今まで積み重ねてきた沢山の人々のそれぞれの物語がふっと収束されたようでぐっと来てしまった。永倉君はああやって近藤や土方の文句を言いながらも局長の墓を建て結局新選組語り部になってしまうだろうし 斉藤は局長の首を奪還できたのかどうかわからないがその後新選組三番隊組長の名にかけて西南戦争で薩摩人を斬りまくるだろうし 土方は鬼の副長から人が変わったように優しくなって西洋式の軍隊で函館の死地へ赴くし 沖田はあのまま失意のうちに死んで原田は…あれは馬賊になって日清戦争行きだな 笑 そういうものをすべて予感させるけど それはまた別の話 みたいな。
ジャニタレが主人公であるに関わらず 幕末物に興味が無いにもかかわらず 予告も前知識も見て無いにもかかわらず
なんかよくわからんが面白いに違いないという自分でも意味不明の確信を持って観はじめた大河ドラマだった。脇が名前も良く知らない役者だらけなのが逆に新鮮で何かあるに違いないと思わされたのかもしれない。 しかしここまで年間通して楽しませてくれるとは思わなかった。
文句のつけどころはもちろん山のようにある。香取慎吾の滑舌の悪さや言葉の締まりの無さはとうとう最後まで完全には改善されなかったし(それでも随分進歩したが) 前半部は時間の進み方の説明が足りなくてあとで調べてからやっと展開を理解できた所も多々あり いちばんひどいと思ったのはたまにやらかす少年漫画やアニメのようなファンタジー演出だった。CG超いらん。カメラの急激な寄せ処理もいらん。合成処理が下手すぎる。それにああ源さん。マジでうかばれないです。「源さん、死す」の回は最初から最後までなんだか全ての調子が狂いっぱなしだった。悪い夢を見ているような。あと戦争シーンはセットの低予算ぶりを如実に表していて箱庭ドラマ(三谷的ではあるけど)みたいなんだよなあ。日本各地を転戦していってる疲労感が全然ない。
そんなこんなで色々文句はある訳だが 不思議ともう来週観るのやめよう、という気にはならなかった。別に誰かに感情移入したり贔屓の役があって観ている訳ではなかったのだが 最終話を観ていると自然に近藤勇によくやった お疲れ様 と声をかけたくなったのだ。どうしようもなく拙い演技だった当初から少しづつ見れる物に成長していく近藤の中の人も役自身も含め 気づけば一番感情移入していたのかもしれない。三谷は狡過ぎるなあ。こりゃ親心みたいなもんじゃないか。
もちろん このドラマの魅力は 次から次へと出てくる個性豊か過ぎる登場人物(及び中の人)、最初から真面目に観ている人にしかわからない思わぬ所で消化される大量の伏線、史実を知っている人にしかわからないフックの多さや上手い脚色っぷり にある。
1話見終わる度にネットで史実を調べて三谷氏の上手い脚色っぷりに気づいたり 役者の事を調べたりするのは日曜夜の大きな楽しみであった。もう来週からどうするかな。
何話かだけ観てつまらんと判断している人は是非来年DVDが出た折 レンタルででも改めて観ていって欲しい。49話CM無しで描いたのはほんの脇役まで丁寧に描いた時代の激流に揺れる人々の積み重ねである。断じて大物俳優や有名アイドルが出てくるのを眺めるショウではない。アラを探して文句を言うだけならとても容易い事だ。あとスマステのスタッフは本当にグッジョブだなあ。いつもは気持ち悪いつまんない番組だけど11日の放送は永久保存版とさせていただく。久しぶりにテレビってなんか夢があると錯覚した 笑
http://www.tv-asahi.co.jp/ss/index2.html

追記

ふと思ったんだけど 新選組!が好きなら
かなりの高確率でスタトレ好きの素質があるよなあ

新選組最終話をもう3度繰り返して観てしまったのだが 一番ぐっとくるのは原田の「尽忠報国の士 天晴れ也!」で斬首直前の近藤がニヤリとする所かね。前半最大の存在 芹沢鴨が滅茶苦茶格好良く近藤の前に初登場した時の台詞をもう一度ここで聞くなんて。そりゃ思わずニヤリとするよ観てる人も。あれで視聴者と近藤の心にぐっと接点が出来て、ああ、ここまで来たのか 近藤勇、まんざら無駄な人生でも無かったと理解して救われた感じ。それから完の文字の後の名場面集、首が落ちて死に至る数瞬の間に近藤が視た走馬燈とも解釈出来るが BGMだけしか音声がなくても 自然にどの場面も記憶からはっきりと出てくるのがもうなんともいえない気持ちになる。思わず拍手。
それにやっぱり斬首直前の近藤の表情。あれはヤバい。香取氏はマシにはなってきたけど結局凄みをきかせるワンパターン演技に落ち着いてるとか思ってたのをちょっと反省する。この場面は恐怖とか安らぎとか不安、これから先に逝った連中に逢える そういう気持ちがないまぜになったなんともいえない顔だった。あの時史実の近藤がどうだったのかはさておき 完璧に一人の人物の死を迎える際の貌だった。あれにははっとさせられる。そうなると 俺的に脳から抹消したい源さん幽霊で挨拶。のあの馬鹿エピソードも近藤への救いの一つになって欲しくて作ったのかとか思ったり。霊魂の類を敢えて肯定的に描くことで 死んだらみんなに逢えるんだという可能性を示しているからな。


10日夜 高円寺UFOでのライブレポについては後ほど。すごかった。そして耳鳴りひどくなったよー