招待券を大量に貰ったので、連休中やる事も無いし、
東京国立近代美術館の「青木繁と近代日本のロマンティシズム」と、
近所の別館、工芸館の「今日の人形芸術―想念(おもい)の造形」を見に行く。
日本の近代美術は大学で一通り触れただけであまり知らないし興味もなかったのだが、
特に青木繁は代表作をいくつか学校のテキストで見た位で全然理解していなかったのを恥じるような良い絵だと思った。
彼の作品には日本の神話時代をモチーフにしたものが多いのだが、
そのディティールはほとんど描き込まれていないのにかかわらず雄弁に語っている物語性に圧倒される。
手法は西洋の絵の描き方と同じと見えるが、何か海外の絵には見られない透明感のあるケレン味というか、
丁度今のライトノベルの表紙のイラストが訴える物語性と何か共通する物を感じる。
工芸館の人形芸術の方は、大体1900年初頭から現在に至るまでの芸術性をもった人形を、
日本人の作品を中心に展示したものであるが、これが大変感動した。
というのも、1900年頃に作られた着物姿の純和風な人形1つ取っても、チョイスの妙に負う所は大きいだろうが、
全く洗練の極みであり、そこはかとなくかなりエロいのであり、その限りなく抽象化された人間の体は、
完全に現在の美少女フィギュア群に必要な要素を既に備えていたのである。
なんていうか、恐るべし日本人。恐るべしフェティシズム
他にも四谷シモンハンス・ベルメールの関節人形の写真作品
(この人絶対美少女かどわかして緊縛して殺して分解してそう…と思ってしまう)等、
とにかくフェティッシュの塊みたいな展示でした。本当に良い物を観ました。
こちらの展示は今月の18日までなので暇があればもう一回みにいきたいなあ。