のだめ1話

昨晩はのだめカンタービレのアニメ第一話の放送。OPは久々に見る気がする幾原氏。OP単品のクオリティはなかなか良く、前知識無しで見れば傑作アニメの予感なのだが、のだめの変態豪快屈折なテイストと違う爽やかさが少しひっかかる。でもよし気に入った。
しかし本編はなあ〜これが良くない。ドラマの方の出来が如何に素晴らしかったのか、そしてよく出来た実写のパワーというものをこんな形で実感してしまうとは。予算と能力が全てOPと音楽と演奏の手アップに費やされちゃったんじゃないかってくらい見ていてつらい。
まず初回のくせにデッサンが狂いすぎ。原作は簡素な絵ながらそこらへんはきっちりできてるのにこれはいただけない。そして演出も酷い。話を詰め込みすぎたせいもあるとは思うが、もうちょっと気の利いたものを考えて欲しかった。2台ピアノの演奏シーンは特にがっかりポイント。多分見所と思われる手アニメだけやたらとリアルでキャラデザと合ってなくて気持ち悪いし(たぶん実写をトレースしたのだろうか?それにしても動きがCGっぽかったし、3Dソフトでトゥーンシェーダーレンダリングしてんのかね)、何にも芸のない後姿のヒキ絵で静止画とか、2人の顔が左右からやってきて重なるだとか、なんという安直な発想なのか…手の作画といくつかののだめのアップのシーン以外極力手間をかけたくないという気持ちだけで出来ているようだ。これは萌えアニメのやり方だぞ…なんか間違ってる…
また主役2人の声もなあ…こればっかりはドラマのイメージが染み付いてるせいもあって少しづつなれていくのかもしれないが、ドラマ後半の上野樹里玉木宏の渾身のキャラ作りと比較してしまうとどうにも安っぽくて素人同然に聴こえてしまう。
とまあ散々な言い草なのだが、平均的な深夜アニメの水準で比較すればよく出来ているし、前にこの枠でみたハチクロが良すぎ&ドラマにうっかりはまりすぎて期待しすぎたのだろう。NANAはもっと酷かったしな。というわけで罵倒しつつ視聴継続。OP・ED曲がクラシックじゃなかったことについては問題無いと感じたし(もちろんやって欲しかったが)、本編中ではクラシック曲をちゃんと尊重しているのがしっかり感じられて非常に好感が持てた。何かこれから一つ望むとしたら、ドラマが原作を忠実に踏襲していたので、その枠をぶち壊して自由にアレンジして欲しいという事。同じ内容ならドラマの方だけで十分だ。(でも、ほんとはバリバリ動く舛成孝二系の作画アニメであったら、あとは何も言う事なかったんですけどね…)