会社が終わると自転車で四谷4丁目から靖国通りを伝って新宿駅へ飛ばす。
新宿駅の会社帰りや学生達や電気製品を買いに来た
外人さんたちの人ごみをかいくぐり終えると
今度は甲州街道沿いに自宅のある中野に真っ直ぐ進んでいく。
最近帰りのBGMはジャズとノイズとプログレが多い。特にジャズ。
夜の新宿の空気にはそういった音楽が一番似合う気がする。
とりどりに主張するネオンも毎日通り過ぎる者の目には全て
平均化され猥雑でくたびれたモノクロームの印象
表の喧噪から切り離された細い路地の潰れた闇には
なにもないようで、風化してしまったたくさんの出来事の痕跡が見て取れる。
そういう時間の長さがもたらす情報量の多さと諦観、業のようなものが
似たものを持っている音を選ばせるのだろう。
東京に来てからいままで、職場を麻布→渋谷→四谷と変えてきたが
麻布の頃はインダストリアルロックとテクノとフュージョンを、
渋谷ではハウスとテクノとエレクトロニカを、
そして今では上記の通りと、なんとなく街と音の変遷が一致している気がする。
音楽の嗜好の変遷が職場を無意識に選ばせたのか
はたまた環境の変化が音を聴く耳に影響を及ぼしたのか。