ケネス・アンガー「快楽殿の創造」

ツタヤで借りてきて視聴。ケネス・アンガーはMTVから始まったPV映像の祖のような人らしい。魔術師アレイスター・クロウリーに傾倒しており尚かつ激しくハリウッド趣味、ゲイ、ドラッグ大好きとなんというかその手の王道を突っ走っているお方。そういうごてごてした異形のイメージが満載だが作品自体は意外と解りやすい。子供の頃遊んだ様々の象徴を使った魔法の儀式や美しい事を連想させる。波長が合えば登場人物達(演技が大変美しく神話的な所作で良い)と共に陶然とした宝石箱のような世界に引き込まれていく。ただあまりにも濃い映像がまったりと続くものだから、心構えが足りなくて脳の体力が後半ついていけなかった。ここは内容にあわせてオーバードーズ的とでもいうのでしょうか。宗教画のような恍惚の表情が大好きな人には超おすすめ。マリリンマンソンの最近のPV、ゴス系美術、デレク・ジャーマンピーター・グリーナウェイマシュー・バーニー好きには通じるものがあるでしょう。