灰羽連盟 5巻(最終巻)

続いて灰羽連盟の最終巻、5巻。
レキの鬱展開からどうラストまで運ぶのかハラハラしながら観る。
本当、最終話の終了直前まで鬱まっしぐらで、
あんなに明るかったレキの内面がどんどんさらけだされていく様は、
悲しいというより、かなりイタい。
ま、この場合、レキがイタいというより、
実は自分を含めかなりの人が似たような気持を多少なりとも
抱えているんじゃないかという事に対するイタさ。
こうやって客観的に観てみると、実際そんな事で鬱になるなんて
自分の甘えでしか無いんじゃないの、という感想を覚える。自省も含めて。
レキの閉ざされた部屋の描写はかなり良いと思う。
今までたびたびその部屋が陰惨なものであることを匂わせる描写が出てきていたので予想はしていたが、
ああいう絵になっているとは思っていなかった。レキの内面を上手く示唆していると思う。
そこからラストまで、レキが自分の苦しみを浄化させるに至るまでの展開は、
ものすごくベタで少し気恥ずかしくなるようなものだが、
直球だからこそ出来る力強さがあったかもしれない。
気がつくと感情移入しすぎて涙腺が緩んでしまった。

全話見終ってみて、紛れもなく良作であると決定。
世界の設定や伏線を全ては語らないものの、それが単なる穴ではなく、
視聴者に色々想像を膨らませる楽しさ(あまり楽しくない予想も多いけど 笑)として
上手く機能させているのが最も特筆すべき点か。