アニメ「十二国記」（NHK衛星枠で放送中）

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昔愛読していた小野不由美著「十二国記」シリーズのアニメが、
レンタル屋に何巻か出ていたので1、2巻を観る。
絵のクオリティーはまずまず。
主人公の陽子が異世界にやってきた後、顔が変わってしまったと大騒ぎする所がわかりにくかったり
（目の色が変わったのはすぐ解ったけど、髪の色の変化とか、顔の変化も何度か見返さないとわかんなかったよ）
アニメオリジナルのキャラクターを作った理由はなんとなく解るんだけど、
観ていくにつれだんだん煩く感じられてくる所とか、カット間のつながりが不自然でテンポが悪いとか。
難癖はいろいろあるけど、それを補って余りある美点に中国風の妖魔が沢山活躍してくれるというのがある。
今までこんなにしっかりしたデザインで中国系のモンスターが沢山出てくるアニメは知らない。
他の国の妖怪・魔物の類より、中国の魔物はとにかくデザインが奇怪で派手、
そしてバリエーションも幅広く、スケールがでかい！知能も総じて高い！
このデザインは全部山田章博氏のものなんでしょうか？

そんな派手な見た目の一方、話の内容は暗い。かなり暗い。
美形がいっぱいいる中国風の世界に迷い込んだ少女が苦労する話、っていうと某ふしぎ○戯なんかが思い出されるが
あっちの軽いノリで派手な展開とかとは違う。すごく地味な不幸。騙されて売り飛ばされかけたりまた騙されて売られたり。
そんな地味目な人間不信ネタの連続が却って救いの無い閉塞感を醸し出している。
アニメの不文律（っていうものがあるとしたら）からすれば少しおかしい位の裏切られっぷりで、
ここで普通は悪人とみせかけて実はいい人でした的な所で結局裏切られて悪人。
原作も前半部分はもうとにかく暗くて、自分も滅茶苦茶悶えながら読んでた記憶があるので
これから先どうやって王の座に辿り着いて快活な人柄に変貌していくのか描き方がちょっと楽しみな所。
ただ、本当にオリジナルキャラが電波すぎてウザいのが心配ですけど…
Vガンダムのカテジナさん（さん付けは義務）みたく電波っぷりが笑えるキャラならいいんだけど、
あっちのそれでもそうなる背景が見えてるから納得のいく性格って訳じゃなくて、
こっちは電波発してる理由もイマイチ出てないし、ギャグもなくただひたすら傲慢な電波っ子なもんだから心底ウザいんだよなあ…
折角こっちの世界を楽しんでいるのに、脇役の元いた世界でのコンプレックスの発現なんか出だしからそんなに時間を割くなみたいな。

まあ次の巻からはこの世界最強の癒しキャラ、楽俊が出てくる様なのでがんばって借りてくるか。